シダの仲間には、語尾に「こごみ」の名を付ける例が多いそうで、
個人が勝手に創作した呼び名が、まかりとおることがあるそうな。
その典型的な例が、この「こごみ」そのものでしょう。
この辺りで人気があり食されていた、こごみ類は「赤こごみ」が中心で、
呼び名も一般的に「こごめ」と呼ばれ、昔は、こちらの方が有名だった。
味の点でも、優れているが、一本々バラバラに生えてて、
あまり群生せず収穫量が少ないのが、難点だった。
そこで、先代は、比較的簡単に収穫量を確保できる、
現在の「こごみ」に目を着けた。
地元では、こごみ類であるにもかかわらず「かくま」と呼ばれ、
あまり食用という意識が無かったようだ。
先代が、それを本格的に流通させる時に一番困ったのが、
その流通名、呼び名だったそうな。
地元呼び名の「かくま」ではいまいち、ピンとこなかったらしい。
そこで、食用シダ類の中でも、代表的存在になってもらおうと、
こちらを「こごめ」と名付けようとした、しかしそれならと、
そこに異議を申し立てたのが、先代の妻だった。
福島県の山奥で生まれたこの人は、
「あたしの生まれた所では、こごみと呼んでいたから、【こごみ】がいい!!」
と言い張ったそうな。
「こごめ」と「こごみ」、たいして変わらないと思うのだが、
なぜか「こごみ」に、こだわった。
いつの時代でもカアチャンは強い、かくして【こごみ】という名で流通することに・・・
最近は、「赤こごみ」と区別するために「青こごみ」とも呼ばれるが、
地域によっては、他のシダ植物を「青こごみ」と呼ぶこともあったりして混乱する。
あ〜、なんてややこしい名前を付けてくれたものだ。