達人!冨樫さんのだだちゃ豆奮闘記

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冨樫さんは、白山地区で唯一日本農林規格協会(JAS)『有機認証』を正式取得しておりましたが、無登録農薬問題の影響もあって、認証の継続があまりに煩雑になり、その内容に疑問を感じるようになってきた為、2003年からは有機認証を取得しておりません。それに関わらず、作り方は完全無農薬の有機栽培そのものを実践しております。数々のこだわりから生まれた「白山だだちゃ豆」は、なんとも言えない独特の旨味とコクが、お口の中一杯に広がり、甘みがあり、香味がよく“一粒食べると止められず、一皿食べる”と言われる程の美味であり、まさに「白山だだちゃ豆」本来の風味を受継ぐ代表的存在として知られています。

だだちゃ豆の栽培は他品種に比べ難儀で作りにくく、食味も「土地変われば味変わる・・・」と言われる位にデリケートな豆、その影には並々ならぬ努力があったのです・・・
まだ、有機認証を取得していた頃のお話しですが、今も変わらず達人のこだわりは続いています。

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まだ雪が残る2月のある日、冨樫さんを訪ねてお話を伺ってきました。
土作りの話から始まり、だだちゃ豆のこと、お米のこと、江戸時代の農家の知恵、など農業についての話を熱く語りだすと、止まらなくなる冨樫さん。(笑)
作ることにこだわり続ける、その探究心には、本当に驚かされました。
私たちの山菜に対する心と通じるものがたくさんあることに意気投合し、話は尽きず、あっという間に時間が過ぎていきました。

また、早生品種の収穫が始まった8月上旬のある日、大変忙しい中の合い間ではありましたが、再びお話しを伺うことができました。それに伴い内容を少々修正、追加などしております。

冨樫さんの栽培スタイルは世間で言われている『有機栽培』そのものであることから、その証明に『有機認証』も正式に取得しているとのことですが、『有機栽培』を常に実践しているにも関わらず、『有機認証』を取得するのが大変なこと、それを維持し続けることの難しさや矛盾点など、さらに伺うことができました。

そんな中から冨樫さんの「豆」作りに対するこだわりを、お話しましょう。

農業について熱く語る達人!
農業について熱く語る達人!
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【〜五つのこだわり〜】

冨樫さんのこだわり【その一】豆作りは、「資材」作りから

『生命力のある食べ物』を作りたい。
このテーマのもとに微生物や天敵の力を借りながら、霊峰月山より採取した土着菌を使用し自家製の発酵肥料(ボカシ肥料)作りや、草や果実から採取するエキス(天恵緑汁)、また害虫の予防には、唐辛子やにんにくの抽出液など様々な資材を作り、おいしくて活力ある枝豆作りに励んでおります。
農薬や科学肥料は、まったく使いません、世の中ではこういう栽培方法を『有機栽培』と一言でかたづけてしまいますが、実は大変な作業なんです。
ブナ原生林で土着菌の採取
ブナ原生林で土着菌の採取⇒
ボカシ肥料作り

冨樫さんのこだわり【その二】豆作りは、「土」作りから

冨樫さんの「だだちゃ豆」畑の土は、驚くほど柔らかいです。
そのため、雨が降った後の畑には、極力入らないようにしているのだそうです。
ぬかるんだ土の中に足を入れてしまうと、せっかく柔らかくて空気の通りの良い地中の状態を壊してしまうからだそうです。
空気をたくさん含んだ柔らかい土に自家製の「ボカシ肥料」を撒きます。
また、冨樫さんの畑の地中には、水はけを良くするために穴が掘られているそうです。そして周囲の水路水路に流れ出すように工夫がされていました。
この穴を通ってネズミやモグラが地中に入ってくることもあり、「日々戦いです」
と、冨樫さんは笑って話してくださいました。

水気を含むと、柔らかくなる畑の土
水気を含むと、柔らかくなる畑の土⇒

冨樫さんのこだわり【その三】豆作りは、「種選び」から

『有機認証』の元で作物を作るには「種」や「苗」の入手先をきちんと明記しなければいけない決まりがあります。
冨樫さんは、ご自分の畑で種用の苗も育て、その中から選りすぐりの「種」を選別します。
本来「だだちゃ豆」は門外不出のものとされているので、これは問題なく、クリアできますね。

種を取るために乾燥させた、だだちゃ豆
種を取るために乾燥させた、だだちゃ豆⇒
種の選別作業

冨樫さんのこだわり【その四】豆作りは、「苗作り」から

冨樫さんは、農薬を一切使わずに、害虫や病気に負けない「強い苗」を作ることに力を入れています。その結果が、美味しい「だだちゃ豆」を生み出すのです。
そのためには、栄養分をたっぷりと吸収できるように根をしっかりと張れるようにしてあげなければなりません。だから、苗の間隔を広く取り、土を軟らかくし、空気をたくさん含ませているのです。冨樫さんの苗は、大地の奥深くまで根が長く伸び、ミネラル分をしっかり吸い取ります。まさにパワーがあるのです。

害虫の中に「黄砂」にのって飛んでくる「ガ」の幼虫で「根切り虫」というのがいます。これは文字通り、作物の根っこを切ってしまう害虫です。
早朝に畑に来て苗を見ると「根切り虫」にやられた苗はわかるそうで、1本1本見て回る作業が続きます。
その根元をそぉ〜っと掘り起こすと、決まって「根切り虫」がいるといいます。
見つけた「根切り虫」は、丹念に取り除きます。
黄砂現象のひどい年は、この害虫に泣かされるということでした。
農薬を使わずに「強い苗」を作るには、こういう地道な作業が大変なんです。

白山だだちゃ豆の苗
大きくなった白山だだちゃ豆の苗⇒

冨樫さんのこだわり【その五】豆作りは「江戸時代の農法」から

『有機認証』の農家は、除草剤や殺虫剤を一切使うことができません。
と言っても、冨樫さんの栽培スタイルは、有機認証に限らず常に『完全無農薬の有機栽培』そのものなんです。有機認証なんて必要ないのかも知れません。

傾斜している畑の周りの草なども、草刈り機械を使って、丹念に刈り取ります。
刈り取った草の中には「せり」や「山にんじん」といった和製ハーブもたくさんあるのですが、これらの植物やとうがらしなどをブレンドして「虫よけ」に使います。
そんなときに役立つのが江戸時代に行われていた農法なのだそうです。
古い文献を紐解いたり、お年寄りに話を伺ったり、参考になることがあれば、日本中どこまでも、足を運ぶそうです。
草刈りとボカシ肥料の追肥は同時に行います。
苗を植えた列の間に自家製の「ボカシ肥料」を撒き、その後を機械を押しながらゆっくりと歩くと、みるみるうちに苗の根本に新しく掘り起こされた土が盛り上がります。
こうすることで、さらに根の張りを良くし、栄養分を行き届かせる効果があるそうです。
また、大きくなる前の雑草も、一緒に掘り起こせる。というわけです。

きれいに草を刈られた畑
きれいに草を刈られた畑⇒





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